監査における不正リスク対応基準

第一 職業的懐疑心の強調

1 監査人は、経営者等の誠実性に関する監査人の過去の経験にかかわらず、不正リスクに常に留意し、監査の全過程を通じて、職業的懐疑心を保持しなければならない。

2 監査人は、職業的懐疑心を発揮して、不正の持つ特性に留意し、不正リスクを評価しなければならない。

3 監査人は、職業的懐疑心を発揮して、識別した不正リスクに対応する監査手続を実施しなければならない。

4 監査人は、職業的懐疑心を発揮して、不正による重要な虚偽の表示を示唆する状況を看過することがないように、入手した監査証拠を評価しなければならない。

5 監査人は、職業的懐疑心を高め、不正による重要な虚偽の表示の疑義に該当するかどうかを判断し、当該疑義に対応する監査手続を実施しなければならない。